強制執行認諾条項

第○条 (公正証書) 本契約は、強制執行認諾約款付きの公正証書とする。

 

 

金銭債務の履行を確保する手段として、契約書を公正証書として作成することがおこなわれます。

 

たとえば、あなたが離婚することになり、子供はあなたが引き取ることになったとします。そして、もろもろの協議が調ったので離婚協議書を作成することにしました。そして、念のためそれを公正証書としてそのなかに子供の養育費に関する条項を盛り込んだとします。

 

離婚が成立したのでもう相手の顔を見なくて済むとおもい、清々していたあなただったのですが...

 

最初の頃は毎月決まった日までにきちんと振り込んでくれていた養育費だったのですが、数年が経過したある月から振込みが滞るようになり、いちいち催促しなければ振り込んでくれなくなりました。そして、ついには催促しても振り込まれなくなってしまったのです。

 

特に経済的に支払ができない状況でもなかったのに、相手は支払ってくれようとはしなかったので、あなたは離婚協議書に養育費のことが書いてあるのだからさっさと振り込んでくれるようにいったのですが、相手は態度を変えようとはしませんでした。

あなたは離婚協議書に養育費のことがちゃんと記載されているし、しかも公正証書にしてあるのだからと当初はこれさえ見せればすぐに解決するだろうと高をくくっていました。でも、自分が直接相手のところへ行くのは避けたかったので仕方なく弁護士事務所へ相談しに行きました。そして、すぐにそう簡単に決着しそうにもないことを思い知らされるのでした。

 

自主的に支払おうとしない相手から支払を受けようとすれば、相手の財産に対する強制執行の手続によらなければなりません。もし、離婚協議書に債務者(このケースでは、養育費を支払う側)が支払わない場合には、即強制執行できることが記載されていて、尚且つそれを公正証書としていたならば、※その公正証書に基づいて相手の財産に強制執行をかけることができます。この条項を強制執行認諾条項(約款)といいます。

※実際の手続にはもう少し手間暇が掛かります。

 

しかし、これが盛り込まれていなかった場合には、たとえ公正証書にしていたとしても、まずは裁判の判決によって強制執行することを認めてもらう必要があり、さらに時間を要することになってしまいます。

 

したがって、これから金銭債務に関する契約書を作成される場合には、この強制執行認諾条項を盛り込むことを念頭に、はなしを進められることをお勧めします。