危険負担とは

第○条 (危険負担) 甲または乙の責に帰すことのできない事由により本件建物が滅失または毀損したときは、一切の負担は乙に帰するものとし、左のとおり処理するものとする。

 

 

民法の規定によると、不動産や特定の動産の売買をした場合、その売買の対象となったものが火事で消失してしまったときや、何らかの理由によって買ったひとに引渡しができなくなったとき、その責任が売った側になければその不動産なり特定の動産の引渡しはしなくても良いとされています。

仮に、代金を支払っていたとしてもその返金を受けることはできず、『もの』も引き渡してもらえないということです。つまり、責任が売った側になければ、買った側がすべての責任を負うことになるという規定です。

 

あなたは、ローンを組んで念願のマイホームを購入しました。建物が完成して引渡しを受けるのを家族全員で待ち望んでいたある日、隣家が火事になり入居する前のマイホームに延焼、家屋が消失してしまったとします。

隣家からの延焼によって家屋が消失したので売主には責任はなく、また、いわゆる失火責任法により失火元の賠償責任は、故意・重過失がなければ法的には追及されないことになっています。もちろん、任意に賠償することはあるでしょうが、それは別の問題です。したがって、あなたに残されたのは土地と何十年も続くローンの返済だけになってしまうのです。

 

これでは安心して不動産や高額な物品を購入することはできません。そこで、実際に購入された方はご存知とは思いますが、不動産売買の実務では、売買契約書のなかにこの危険負担に関する条項が盛り込まれていて、このようなケースでは一般的に売主側が負担することとされています。