遺言を残すほどの財産はないのだけれど...

 

わが家の財産は多いのか少ないのか?

そもそも金額の多い少ないというのは、ひとそれぞれに受け取り方が違うはずなですから、いくらから多いのか少ないのかを議論してもはじまらないのかもしれませんが...

よくサラリーマンの年収の壁は、1千万円などといわれます。これにしても、平均給与が入社後数年で到達する会社もあれば、役員クラスになってやっと届く会社もあります。もちろん経営者を含めて誰一人として達してしない会社もあります。

最近ではあまり言われなくなりましたが、いわゆる『中流家庭』という概念が今もあるとすれば、年収1千万の壁というものも存在すると仮定しましょう。

そこで、いろいろご批判もあろうかと思いますが、ここでは財産1千万円以下を『財産が少ない家庭』と仮定します。(ダジャレではありません。)

財産が少なければ遺言は必要ないのか?

以下は、平成24年度の法務省作成の司法統計からの抜粋です。遺産相続で揉めた結果、全国の家庭裁判所で調停が成立した件数と比率を表しています(「分割しない」を除く)

 総数  1,000万円以下  5,000万円以下  1億円以下 5億円以下  5億円超  算定不能・不詳
 8,740  2,821  3,797 1,000 555  47  517
 100%  32.3%  43.4% 11.4%  6.4% 0.5% 6.0%

 

ご覧のとおり、財産が少ないと仮定した1,000万円以下の遺産相続ですが、遺産分割協議が整わなかった結果、調停まで持ち込まれた件数全体の実に3割強を占めています。

逆に、5億円以下から5億円超までは全体の7%弱という結果になっています。

この表からも、財産が少ないからといって、もめることはないと考えるのは間違った考えであることがわかります。

決して、遺言は資産家だけのものではありません。